2012/01/11

十ヶ月目;

船上で大きなローリングに揺られているような長周期振動を感じていたあの日から十ヶ月たった、普段はほとんど地震を感じることのない此の熔岩台地で、幾年か前の、長岡や柏崎地方の地震の時(それらだって此処を特異的に揺らしたのだが)とも比べ物にならない揺れだった。そして間もなく(メディアを通して)想像を絶する光景を眼にすることになった。同時に此の地震は東京電力・福島第一原子力発電所を破壊し四基の原子炉から放射能を撒き散らした。以来、原発とは何かと因縁深いこともあって関心の殆どがこれに向かうこととなったけれども、一方で天災は克服できると云う思いがあり、人間の強靭さへの信頼があった。

2012年3週
それから十月、越年もして、震災の地はほとんど手付かずの状態にあるらしいことに驚いている。ちいさな町いや集落ひとつ蘇っていないようだ、幾つかのアイデアはあるようだが、例えば昔の輪中のように押寄せる水の脅威に耐えうる、あるいは高いところへの移転だっていい、そんな村落をたったひとつでも造ってみればいいのだ、法や民意のしがらみを超えて造ってみればいいのだ・・・T.E.ロレンスが『知恵の七柱』で記していることを思いだしている。